一枚の金属板(薄板)から継ぎ目の無い容器形状にプレス機で加工することを絞り加工といいます。
てこの原理でへらを押しあてて変形させていくヘラ絞り加工(スピニング加工)とは違い、 和田製作所で行う絞り加工は、プレス機と金型を使用して製品を製作します。
絞り加工の良いところ
- 溶接を行わず容器形状にすることが出来る加工方法の為、継ぎ目が一切なく水漏れ等の心配がありません。
- プレスの絞り加工では、溶接や切削加工で容器形状を製作するより、工程数や加工時間を少なくすることが可能でコストダウンに繋がります。
- 加工硬化の影響により、薄板材料を選択しても強度が出やすいため製品の軽量化も可能となります。
- 金型を使用して生産することにより、小ロット生産よりは大量生産に向いています。
- 異形(複雑形状)の容器形状が可能。
絞り加工の難しいところ
- シワ、ひずみ、割れが起こりやすい
- 表面に擦り傷ができやすい
- 加工経験の熟練が必要
- 金型が必要不可欠
- 精度の高い金型設計開発技術が必要
- 効率の良い工程設計が必要
絞り形状の使用用途
- 各種カバー(モーターカバー、センサーカバー等)
- 各種ケース
- 筐体側面
- ボトル容器
- キャップ
- 鍋
- トレイ
- オイルパン
- シンク
- ストレーナー
- 桶
- 建築部品(引き戸の取っ手など)
- 文具雑貨
- 等、使用用途は宇宙、工業製品から日用品まで様々で書ききれません!
和田製作所で製造したプレス部品の絞り形状の製品サンプルを一部ご紹介。
角筒+多段+異形絞りのメーターカバー
- 材質 SPCC 冷間圧延鋼板
- 板厚 t0.8 シート材
- 金型 単発型
- 設備 150トンメカプレス
- 特徴 角のある部分にストレスがかかり一般的にはワレが発生しやすい形状の絞り加工部品。
円筒+多段絞りのケース
- 材質 アルミ
- 板厚 t0.5
- 金型 順送型
- 設備 150トンプレス
- 特徴 Rを極めて小さく設定してある。順送加工の為、生産性が高い。
円筒+異形絞りのカバー
- 材質 SPCC 冷間圧延鋼板
- 板厚 t0.5
- 金型 順送型
- 設備 150トンプレス
- 特徴 異形の絞りに加えて、側面に穴がある。一般的には角の部分にはストレスがかかり、ワレややぶれが発生しやすい。
円筒絞りの燃料ポンプ用カバー
- 材質 SPCC 冷間圧延鋼板
- 板厚 t1.2
- 金型 単発型
- 設備 150トンプレス
- 特徴 円筒の部品は部品のカバーやケースとして最適。
円筒絞りのストレーナー
- 材質 ステンレスパンチングメタル
- 板厚 t1.0
- 金型 単発型
- 設備 110トンプレス
- 特徴 試作サンプル。絞り1工程でシワの無い絞り。金属フィルターに最適。
純ニッケルの円筒絞り
- 材質 純ニッケル NB-1
- 板厚 t0.2~t1.0
- 金型 単発型
- 設備 110トン
- 特徴 難絞り材での絞り加工。 耐食性・導電性に優れ、電池の部品や電装部品等としての使用用途がある。
チタンの角筒絞り
- 材質 純チタン2種 TP340C
- 板厚 t0.8
- 金型 単発型
- 設備 110トンプレス
- 特徴 深さ50mm の試作。チタン材は腐食性に優れ軽く、抗菌で耐熱性も高い素材。更に絞り性も良い。海水にも強い。
板材を絞り加工でパイプ形状へ
- 材質 真鍮
- 板厚
- 金型 順送型
- 設備 80トンプレス
- 特徴 真鍮の板材から絞りの技術を使ってパイプ形状を実現。切削加工を廃止。小さな部品も順送プレスの活用で量産が容易。
金型部門がありますので、金型の設計製作から量産立ち上げ、金型の定期メンテも迅速に行えます。
ここへの掲載以外の事例はお問い合わせください
プレス加工で新規調達先をご検討の担当者様からのお問い合わせはこちらから
Tel 084-970-0038