純ニッケルの加工

和田製作所ではプレス加工による量産の難易度が高い極薄純ニッケルの絞り加工品を量産可能としました。

純ニッケルとは

純ニッケルとは、元素記号Niで表される金属元素のことで、純度が非常に高いニッケルのことを指します。純ニッケルは、非常に耐食性が高く、酸やアルカリに対して化学的に安定であり、耐熱性も優れているため、高温・高圧の条件下でも安定して使用できます。

純ニッケルは、電子部品や半導体、航空宇宙産業、医療機器、化学工業など、幅広い分野で使用されています。また、金属材料の中でも比較的柔らかいため、加工が容易であり、プレス加工や切削加工にも適しています。しかし、純ニッケルは希少な金属元素の一つであり、高価格で取引されています。

苛性ソーダやアルカリ溶液、塩素ガス等に耐食性が優れているということです。また塑性的に伸びうる性質が良い為(延性が大きい)、プレス加工のしやすさ、高温・低温どちらでも優れた耐熱性を持ち、ガラスへの密着性も良いなど使用用途は化学産業で使用されることも多いがそれ以外にも多用途に利用されています。

ただし、純ニッケルは比較的柔らかい金属であるため、加工によって変形しやすく、加工後に形状が変化することがあります。また、硬度が低いため、加工中に切削刃や工具に対して摩耗が起こることがあるため、加工には注意が必要でプレスの量産では非常に難易度が上がるとされています。

純ニッケルの使用用途

純ニッケルは、その耐腐食性や耐熱性、加工性などの特徴から、様々な用途で利用されています。代表的な使用用途としては、以下のようなものがあります。

  • 化学工業:硫酸やアルカリなどの強酸・強アルカリに対する耐腐食性が高いため、薬品プラントなどで使用されます。
  • 電気・電子部品:高い電気伝導性や熱伝導性があり、耐熱性や耐腐食性にも優れているため、電気配線や半導体、電池などの電気・電子部品に使用されます。
  • 航空宇宙・自動車産業:高い耐熱性・耐腐食性・強度を持ち、軽量化にも貢献するため、ターボチャージャーやエキゾーストマニホールドなどのエンジン部品、航空機のエンジンや構造材料などに使用されます。
  • 医療機器:生体に対して生体適合性が高く、耐腐食性にも優れているため、人工関節や心臓弁などの医療機器に使用されます。

また、純ニッケルは他の金属と合金を形成するための原料としても利用されます。ニッケル合金は、高温での使用や耐摩耗性が求められる用途などで幅広く利用されています。

・各種電池部品

・携帯電話の端子

・電装部品

・苛性ソーダ製造装置用材料 など

純ニッケルは難削材

純ニッケルは難削材の一種です。純ニッケルは、高い引っ張り強度や硬さ、耐熱性などの特性を持ち、同時に切削加工時に発生する熱に対しても非常に強い耐熱性が求められます。そのため、純ニッケルを加工する場合、適切な工具や加工条件が必要であり、通常の鋼材やアルミニウムなどの加工よりも難易度が高くなります。純ニッケルの加工には、高速鋼やセラミックスなどの超硬工具や、冷却剤の使用、切削速度や切削深さの調整、切削による熱影響を抑えるための加工条件の最適化などが必要です。

粘りが強く、切削では難削材と恐れられている純ニッケルは、延性が良く(塑性的に伸びうる性質)プレス加工と相性がいいとされていますが、実際は量産になった途端に難削材同様に難易度が上がります。純ニッケル以上の粘りで和田製作所は順送加工での量産を可能にしました。

和田製作所の純ニッケル加工可能範囲

  • 板厚 t0.3~2.0
  • 材料 コイル材・切板
  • 数量 小ロット~大量生産
  • 金型 単発型・順送型

ステンレスのプレス加工 加工事例紹介

材質 Ni201 純ニッケル
板厚 t0.3mm
用途 化学分析測定
生産方式 順送プレス金型
特徴1 直径に対する深さ2倍の深絞り
特徴2 純ニッケルの材料特性上SPCCやSUS304より量産でトラブルが起こりやすい
特徴3 表面光沢有り


その他可能な絞り形状

和田製作所は純ニッケルの順送加工が可能です。

事情により実際の製品はお見せ出来ませんので上記図でご確認ください。

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